年末に思うー2 私は恒例の年末年始の事務所当番です。 そういえば、 正月の三が日は休むもんだと云われた子供の頃のお正月を 思い出しました。 東京の下町に住んでいた子供時代、29日は 母と市場へおせち料理の材料の買出しでした。 30日は 家族で大掃除。ガラス拭きやら、猫の額の庭掃除は子供たち。大人は畳干しやら障子の張替え。 31日、母は朝からお節料理作り、途中 近所の美容院へ駆け込んで、いつもよりちょっとお洒落になって戻ります。私たちは、火鉢や コンロの傍らで、歌留多とりや新しいトランプ遊びの練習をしながら鍋の番でした。 夕方には皆で銭湯へ。ちょっとした「神田川」の 世界です。帰りに年越し蕎麦屋や 当時人気のではじめたラーメン屋に寄るのが楽しみでした。 その後はお節を作り続ける母を尻目に、ラジオやテレビ購入後は「紅白歌合戦」に釘付けになりました。 一年に一度公認の夜更かしの翌朝、元旦の朝は、枕元に用意された真新しい下着や晴れ着をつけて、全員で神棚に手を合わせます。 近所の子供たちとクリスマスに買って貰った遊具で、羽根突き、凧揚げ、独楽回し、男の子も女の子もみんな笑顔です。 三が日は 掃除洗濯、炊事から開放された母親たちが、日ごろの分まで子供たちの遊びに参加してくれます。 夜には父親たちに付き合ってお酒などたしなみ幸せそうにしている母親たちを見て、いつもお正月だと良いのにと思った子供は私だけだはなかったでしょう。 ある年、中学生になった私は祖父母や親戚からいただいたお年玉を持って、従姉妹たちと万年筆を買いに電車に乗り 銀座の有名文具店にいきました。不安ながらちょっぴり大人になったようで、嬉しく誇らしかったお正月もありました。 そんなレトロな思い出に浸りながら年末を過ごしています。
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